献本していただいたのは5月だというのに,すっかり遅くなってしまった。改めて御礼申し上げるとともに,非礼を詫びる次第。

顔と声を思い浮かべながら読んでしまっているから書評にならないかもしれないが,先を走る教育方法学者の闘いの記録を読む思いで拝読した。個人的には第7章の「学びの共同体」の課題の指摘や,第8章を特に興味深く。例えば,

面白い教材とは何かを考えるとは,人が何を面白いとみなすか,その要因を考えることなのである。教材をつくるとは,学ぶ対象にしてもらえるように客観的に存在している素材を選択・加工することである。だから,提出される素材は客観的だが,学び手の意識と連動し,学習活動の手がかりとなる課題や問いと強い結びつきを持っている(p. 138)。

という一節は,教育内容・教材構成を中心に据える教育方法学研究の定義にも読める。そして,これまで重視されてきた教材化の「モメント」を端的に整理しつつ,本書の問題関心に即して一歩踏み込んだ提案をしている。最近,こういう本を読んでいなかったので(教育方法学者の書いたものを読んでいないだけだが)その姿勢に素直に感銘を受けた。

ただ,英語教育の場合はそのまま引き取れないなあ,難しいなあと感心する以上のモヤモヤが頭の中を漂った。モヤはまだ晴れてはおらず,うまくまとめられる自信はないのだが以下,まとめと雑感。長文容赦願いたい。

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