Month2月 2014

[雑感][旧記事] イミとケーシキのアヤシくてイカガワしい関係

誰が使い出したのか正確なところは知らないのだが,第二言語習得研究ではform-meaning mappingという言い方をする。教材や教師の言葉,言語活動中のやりとりを通じて理解可能なインプットに触れる過程で,言語形式とそれが表す意味との間に対応関係が形成されるということらしい。

母語獲得の場合と第二言語習得の場合とでは「写像」の様相はずいぶん異なるように思うのだが,それ自体は「(L2)言語習得」(の過程・結果)を捉えるための一つのモデルとして了承できる。ただ,「写像」という数学的概念を使う割には(全射であることは前提として)単射を想定しているのかそうではないのか,可逆なのかそうではないのか,よく分からない。モノ(特にSLA研究の理論に基づく実践報告等)によっては,単に「結びつき」という意味でこの用語を使っているケースも散見される(無理にmappingと言わず,connectionやrelationshipを用いればとりあえずは解決する)。

Bolinger (1977)の「形が違えば意味も違う」という立場からすれば,この写像は全単射として仮定されることになるが(以前書いた「『形が違えば意味が違う』のその先へ。」を参照されたい),Bolinger (1977)で説明されているような「意味の違い」は,form-meaning mappingという用語を用いる人が言わんとする意味とはずいぶん意味が違うように思う(ややこしやー)。

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[雑感][旧記事] 文法指導って何なのさ(の補足)

LET中部支部外国語教育基礎研究部会第1回年次例会(2月22日、名古屋大学)において,「文法指導って何なのさ:目的・内容・方法」と題するワークショップの講師を務めた。まずは,この機会を与えてくれた事務局のみなさんに感謝したい。

この記事は,(100%私の不徳の致すところで)与えられた時間に収まらず,触れることのできなかった内容の補足を目的とする。

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[レビュー][旧記事] で、英語のみとそうじゃないのと,君たちゃどっちが好みなんだい?!(Macaro & Lee, 2013)

そうだ,論文を読もう。読むだけじゃなくて,ちゃんとまとめておこう。

「英語の授業は英語で」政策の論点は亘理 (2011)でも整理したので,世間で騒ぎになる度に,個人的には”Enough!”と思うところもある。ただ,例えば最近,和歌山大学の江利川先生がブログで紹介されていた久保田先生の紹介文献は、多言語主義・複言語主義(あるいは単一言語使用の社会的問題)に関するもののみだったり(これが必要のない文献ということでは勿論ないけれど),実証的研究の成果が共有・検討されて行かないのは気になる。

これは,「で,実際のところ学習者はどー思ってんの?」という,韓国での調査に基づく研究。

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[告知][旧記事] 英語学習・授業支援のためのICT活用(のはじめの一歩(の玄関出る前(の心の準備)))

明日の話なので告知としては直前過ぎるのだが,胡子美由紀先生(広島市立早稲田中学校)と下鶴真理先生(浜松日体中高校)を招いての「達人セミナーin静岡」(常葉大学短期大学部)で,私も

  • 「授業支援のためのICT活用: The first step and beyond」

という題でお話をする(14:40-15:30)。

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[雑感][旧記事] その研究は何のため?

と,また挑発的なタイトルを付けてみる。研究の目的論。

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[本][旧記事] 文法指導を考える上でおさえておきたい解説書。

と、ライフハック系ブログの釣りタイトルみたいで恐縮だが,最近,部屋に来た学生に「亘理先生のコアになった本はどれですか?」と訊かれた。節操なく乱読してきた私には一冊というのは決め難いし,「コア」をどう考えるか次第だが,大学入学から15年経ってみると(大学入学以前にマトモな本を読んだことはない),確かにそういう本はあるにはある。

特に,英語が嫌いで出来も悪かった私は,文法解説書・参考書の類いにずいぶんお世話になった。それこそ学生時代は,玉石混淆の石だらけの分野を足を血だらけにして走ったのだ。走れ,ワロス。

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[雑感][旧記事]「文献の選び方・辿り方・読み方に関して考えたこと」を読んで考えたこと。

ありがたいことに,筑波大学大学院の石井卓巳さんが,自身のブログ(korukoru, id:imukat141)で拙記事に詳しく言及してくれた。

勢いで書き連ねているのがひたすら申し訳なくなる,丁重かつロジカルな感想と考察で,特に1.の「目的に応じた4種類のレイヤーとリソース」は,私の荒っぽい議論を整理してもらった感じ。役に立つ分類だ(これについてはまた機会を改めて話を広げたい)。

今日は,2.についての意見と私なりの取り組み(石井さんへのアンサー記事だということを予めお断りしておく)。

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