2018年も充実した一年を過ごさせてもらいました。関係各位に厚く御礼申し上げます。

今年は、年末年始に気が緩んで引いた風邪が長引き、数ヶ月、咳喘息と付き合うところから始まりました。その反動(?)で用心したせいか、それ以降ほぼ風邪ひとつ引くことなくここまで来れていますが、前半はそれでだいぶ滅入っていたので、3月に石垣島、8月に(留学の引率でですが)アルバータ、そしてカナディアン・ロッキーを堪能できたのは本当に良かったです。

携わらせていただいた共訳書が2月に出版され、1章を寄稿した英語科教育法のテキストが11月に出版されました。訳書については、先日の某研修でも「『教育の効果』を買って読んでたら、先生の名前があってビックリしましたよ!」と声をかけてもらったり、周りの人に見える形で仕事の幅を広げてもらったことをとても感謝しています。その全てのプロセスが貴重な学びとなりました。これを自著の一冊と数えるならば、11月の共著が、私がかかわった10冊目の本ということになります。担当している専門科目を本に結実させるというのは静岡大学に異動してから一つの目標にしてきたところがあるので(注1)、1章だけですが、担当している「英語科教育法」についてこうして形にできたのは良かったと思っています。原稿を丁寧に読んでくださり私のこだわりも汲んでくださって、編者の先生がたには感謝が尽きません。30代の内に単著が上梓できればいいのですが、こうして共編著が並んだのも、心ある人の支えのおかげで何とか在る今の私をよく表しているように思います。

原稿もいくつか書かせてもらいましたが、特に、三省堂の『TEN』で「リクツで納得!学校英文法の『文法』」という連載の機会をいただいたのは特に有り難い展開でした。ここ数年でより仕事の幅が広がり、実践的ネットワークも充実してきてあちこちから声をかけてもらえるようになったのは嬉しい反面、元々の専門である文法指導研究にじっくり向き合えない自分が不満でもありました。締め切りに追われる形ではあれ、(特に)中学校の先生がたに向けて学習英文法を(調べて考えて)語れるのは楽しい時間です。毎回字数との格闘ですが、これまでの蓄積を棚卸しながら、挑戦的な提案もしていけたらと思っています。

6月に中部地区英語教育学会が静岡大学で開催され、事務局長として走り回りました。と言っても、仕事のできる人に囲まれて私はたいして何もしていない(そもそもそういう仕事は向いていない)のですが、特にシンポジウムは過去の大会に比べても濃く充実した内容のものを実現でき、静岡の先生がたの協力を得た企画も盛り上がり、赤字も出さず、目標どおり大会実行委員長を(良い意味で)泣かせて終えられたので満足しています。もう一つ印象深いのは8月のLET全国大会で、今年から関西支部運営委員となったにもかかわらず、上記のアルバータ引率業務と重なってしまい、公募シンポジウムとパネルディスカッションは動画・Skypeでの登壇となりました。この動画を作る作業が予想以上に大変で(自業自得ながら)参りましたが、荘島先生が笑ってくれたとのことなので満足しています。いずれの大会も、わがまま・不手際の多くを許していただいた実行委員・登壇者の先生がたに御礼を言う他ありません。

9月に日本教育学会で発表をしたのですが、なんと修論の成果の一部を発表した2004年の63回大会以来でした。院生が研究の相談に来て、内容から適切な発表場所や時期の見通しについて話している内に日本教育学会が浮上し、彼らが発表するなら指導教員もかっこいいところ見せなきゃな!と奮起したのが理由ですが、学校教育の一環としての英語教育の目的論について(少なくとも自分が納得できるところまで徹底的に)考え直す必要があると考えていたので良い契機となりました。発表の仕上がりはイマイチでかっこいいところは見せられなかったのですが、今年はこのテーマについてよく考え、いくつかまとめる機会もいただいたので、だいぶ深めることができました。院生たちに感謝です。

今年は、大学教員になって11年目を迎え、始めるなら今年と思い立って附属静岡中学校の稲葉先生と「英語授業を語る会・静岡」を始動させました。数人しか集まらなくても細々続けたいと思っていたぐらいなので、毎回盛況で、(共催を含めて)8回も開催できたのは望外の喜びです(勢いに乗じて、この活動も本の形にまとめられたらいいなと思っています)。先生がたが普段着の授業について気軽に相談したり語り合ったりできる場所を作ることは前任の三浦先生の願いでもあり、それを実現できたことに自身の成長を感じています。毎回本当に楽しくて、私自身がエネルギーをもらってばかりですが、多少なりとも静岡(近隣)の教育に対する恩返しができればと思っています。

3年目を迎えた高校とのかかわり、ゼミ生との西伊豆町の訪問指導プロジェクト、静岡市の研修、三重県の先生がたとの交流など、充実を感じる活動は他にもたくさんあり、今年は小中高あわせて64時間の授業を観る機会を得ました。特に、県の事業が終わった後に直接依頼をもらって校内研修に呼んでもらっている高校には感謝してもしきれません。管理職の先生がたも含めてずっとこのメンバーでお願いしたい!と思えるぐらい、私の実践研究の中核を占めるものとなっており、今後の軸となっていくと思います。

というように外での仕事が充実すればするほど大学にいる時間が少なくなるので、研究室にふらっと遊びに来た学生と話す時間が以前より少なくなったのは寂しいことです。年齢や関係性の変化もあってそもそも少なくなっていくものかもしれませんが、来年はもう少し学生・院生とゆっくり過ごす余裕を持ちたいものです。学生との一見たわいも無い会話や遊びの中に私のこれまでの全ては詰まっていたように思うし、学生たちの思索や私との関係のインキュベーターは案外その時間が鍵を握っているようにふと思う、そんな一年でした。

それでは、2019年もよろしくお願い申し上げます。

 

(注1) 他は「英語教育リサーチメソッド」 →『はじめの英語教育研究』、「教職実践演習」の一部 →『英語教師はたのしい』、『高校英語授業を知的にしたい』が該当します。大学院の授業・ゼミを除けば、あとは「英語学習法」という授業です。出してもいいよという出版社の方がいたらご連絡ください。