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余談の落書きみたいな投稿ですが(毎回そうか)、リスニングとイヤホンの話。

ここのところ、だいぶ背伸びしてBose QuietComfort 20i(こちらはApple製品専用。iが付かないのがその他用)というノイズキャンセリング・イヤホンを使っています。歩きながら使うのにはあまり向かないかもしれませんが、新幹線や飛行機での移動が大げさでなく何十倍も快適になりました。

で、このイヤホンで洋楽や動画の音声を聴いていると、はっきり明瞭に聞こえるんですよね。低音の良さとそれによる全体のバランスみたいなBOSEの元々の特徴によるところも大きいのかもしれませんが(以前はオーディオテクニカ・ユーザー)、私はその辺詳しくないので分かりません。ともかくクリアに聞こえます。

1000円前後のイヤホンから10000円前後のイヤホンに昇進した時も思いましたが、良いイヤホンに変えると、古くから浴びるほど聞いている曲でもこれまで聞こえていなかった音があることに気づいたりします。Bose QuietComfort 20iでもそれは勿論あるのですが、このイヤホンに変えて特に感じたのは、「これまで、聴いて歌詞を見て見ながら聴いて歌詞を見て…と繰り返してある意味でそう聞こえていると自分に言い聞かせてきた曲の歌詞が、現に、語句や音素のレベルでそう発音していることが弁別できるように聞こえる」ということなのです。日進月歩マンの私のリスニング力が昔と比べて向上したからというのもあるかもしれませんが、まあまあ早いテンポの曲で、決して強く発音されない文中の代名詞、例えばthemが/ðem/なのか/əm/になっているのかが、しかと聞き分けられるくらいの感覚です。

文字の場合、テスト問題に脱字があったり不鮮明で判読できなかったりすれば、交換を要求するでしょう。音声についても、機器に不具合があってはならないとセンター試験で日本中がナーバスになってから騒ぎするのは皆さんご承知の通りです。しかし断線その他で聞こえない場合に交換を要求することはあっても、イヤホンの音質が悪いと文句をつける人は(たぶん)いない。私が大学を受験するときセンター試験ではまだリスニングは課されていませんでしたが、二次は大学のボロい部屋の心許ないスピーカーからの音声だったか往年のラジカセが音源だったか(ラジカセは入学後の授業かな)。いずれにせよ縦長の受験室で、前の席の人には音が大き過ぎで、後ろの席の人にはちょっと小さいというアンフェアな感じだったことを記憶しているので、その頃と比べればずいぶんマシになったのは間違いありませんが(私は程よい位置の席でしたが、座席位置に関係なく不出来でしたイェーイ)。

現実に英語を聞く場合だって、いつも周囲が静かで相手が明瞭に発音してくれるとは限りませんから(むしろそんな場合は稀でしょうから)、空港や駅の雑踏の中で自分の乗る便の案内を聞き取ったり、周囲の会話が飛び交う飲食店でたとえ店員さんがウィスパーボイスでも声を拾ったりしなければならない。そういう意味ではむしろ、いま中高生が授業で耳にする音声は理想化され過ぎているとさえ言えるでしょう。ただ最近、スタバなどでイヤホンをつけて英語の勉強をしているっぽい若者をちょくちょく見かけることもあって、細かいところで聞き取れているかどうか自信が持てないという場合には、いいイヤホンを試してみてもいいのではないかとちょっとだけ思うのです。「Bose QuietComfort 20iならハッキリ聞き取れる」という条件付きの聞き取り能力にどれぐらい意味があるかと言われると微妙かもしれませんが、私が高校生の時に使っていた1000円以下のイヤホンの音質を思い出しても、あれじゃ聞けたという手応え感じるのは大変だと思うのですよね。

というか、センター試験のリスニングでBose QuietComfort 20をイヤホンとして配ってお土産にしてあげれば、試験監督も忍びの者の動きを強いられることはないし、みんなハッピーになるのになあと夢想するのでした。