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Twitterで #新大学生に勧めたい10冊 というタグが流れてきた。私が順番込みでオススメする10冊と超短評。

究極を言えば手当たり次第になんでも読めばいいのが大学生の読書だが、そうは言ってもブックガイドが溢れる実態があり、敢えてそこを取捨選択して提示するのがキュレーターの真価なわけで(リンクは画像をクリック)。

1. 永井 均 『マンガは哲学する』

こういうモノの見方があるということ。マンガだって哲学となる。いや、哲学しているマンガの名案内(岩波現代文庫に入っているのを知らなくてそれが一番驚いたが)。

2. 稲垣 佳世子・波多野 誼余夫『人はいかに学ぶか: 日常的認知の世界』

「勉強」の固定観念を捨てて、これまでの学びからワクワクを取り戻そう。人間(の認知)について探究するおもしろさを知って、これからの学びにワクワクしよう。

3. ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド(上杉 周作・関 美和(訳))『FACTFULNESS: 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

自分が知らないということを知ること。自分が知っているつもりであるということを知ること。が楽しいと思えたらしめたもの。

4. 國分 功一郎『暇と退屈の倫理学 増補新版』

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「暇」と「退屈」の違いについて説明してみよう。人類はいつから暇を感じ、いつから退屈してきたのか。そしてどうやってそれを乗り越えてきたのか。そんなことを論理的に考えたことある?なかったら一度くらい。退屈しないよ。

5. ヴィクトール・E・フランクル(池田 香代子(訳))『夜と霧』

まだ読んでなかったら、読むなら今。しょっぱいオバさん・オジさんになる前に。読んでおけばオバさん・オジさんになってから再読してもきっと背筋を伸ばしてくれるし、新たに思い至ることもあるだろう。読みながら、自らの身をそこに置いてみよう。人間とは。人間の尊厳とは。

6. ソポクレス『オイディプス王』

文学はもちろんのこと、あらゆる分野でまあよっく引き合いに出されるんですわ。みんなオイディプス王と重ねたい。あるいは、とは違うって言いたい。ググって粗筋知っときゃいい気もするし、他にもそういう古典はたくさんあるけど、これは今読んでも普通におもしろく思わず映画化・アニメ化したくなる。ザ元ネタの最高峰。そして知る、ああアレもこれか、ソレもこれか。

7. ウォルター・アルヴァレズ(月森 左知(訳))『絶滅のクレーター: T・レックス最後の日』

恐竜の絶滅については原因も含めてみんな知っているだろうけど、それがどうやって分かったのかって知ってる?科学(的知見の積み重ね)の素晴らしさがスリリングに味わえる物語。

地質学者の息子が物理学者の父とこの謎を解き明かすのだが、インテリのずっと仲良し親子がタッグでという話ではなくて、息子は母親に育てられその影響で地質学者になったが、後年、父親が息子の研究にのめり込んだ…みたいなオヒレを知っているともはやエモさすら漂うけど、それこそが人が為す科学というやつなのだ。

8. デイヴィッド・クリスタル(斎藤 兆史・三谷 裕美(訳))『消滅する言語: 人類の知的遺産をいかに守るか』

日本語が永久にこのままで、世界中の人はみんな英語を話すと思っている?言語がたくさんある意味は?著者や訳者の言うことを鵜呑みにしてほしいわけじゃなくて、言語や文化について、ここからいろいろ考えてほしいんだ。第二外国語も楽しんで。

9. 阿部 公彦『詩的思考のめざめ: 心と言葉にほんとうは起きていること』

ことばの吟味。ことばに対する感覚の吟味。この本を読んでことばについてじっくり丁寧に考えると、世界の見え方がちょっと変わる。読んだ後に聞いてみたら、好きな曲のあの歌詞だって違って見えてくるかも。

10. 灰谷 健次郎『兎の眼』

人間と社会を見つめる眼差し。大学にいる間に教員免許を取ろうと思っているなら特に、読んでみてほしい。鉄三についてあなたは何を感じるか、鉄三と向き合う小谷先生についてあなたは何を思うか、そして、読み終わった時、読み始めた時と比べてあなたの教育に対する考えの何がいちばん揺さぶられたか。