Pocket

レビューと言えるほどのものではないが、

概要には次のようにある。

文法は、知識とも能力ともみなされ得る。知識とみなす場合、そのフォーカスは文を形成するための規則にある。一方、能力とみなす場合、話し言葉と書き言葉のテクストを生み出すリソースとして文法がどのように用いられるかに焦点がある。テクストにおいて文法を使えるようになることに焦点を置く教育学の基礎として、12の原理を提案する。それぞれの原理を教室での実践例とあわせて説明する。

ということで、実証研究ではない。以下に示す、その12の原理も、SLA研究の知見にはもちろん依ってはいるが、それを支持する特定のデータによる裏づけがあって提案されているわけではない。だが、これまでの知見を包括するバランスの取れた提案で、至極尤もだったり具体例がそこそこ面白かったり。

  1. (自分が相手にする)学習者が必要とする文法資源を特定しよう。
  2. テクストの性質に関する認識を深めるように教えよう。
  3. 話し言葉と書き言葉との違いに関する認識を深めよう。
  4. テクストの吟味にコーパスを活用しよう。
  5. 多様な教え方のアプローチを用いよう。
  6. 気づきを誘導する(Guided Noticing)機会を与えよう。
  7. 意味のあるコミュニケーションを実践する機会を与えよう。
  8. 背伸びしたアウトプットをする機会を学習者に与えよう。
  9. 文法と語彙の間につながりを作ろう。
  10. 学習者がする誤りを指導に活かそう。
  11. 文法と4技能とを統合しよう。
  12. インターネットやテクノロジーを資源として活用しよう。

「RELC Journalはこういうのも載せてくださるのか」とちょっぴり勇気づけられもしたが、こういうのは誰か書いたかということが重要なのかもしれない。

ここでは詳述しないが、個人的には6の具体的研究がもっと必要だと考えて読んだ次第。実践的には、高校の現行指導要領の科目「コミュニケーション英語」や「英語表現」の内容が、この原理にどの程度沿っているか考えてみる作業もありかもしれない。本当は、各原理を立てる根拠についてもうちょっと詳述してほしかったが、Batstone and Ellis (2009)と同様、このトピックはまだまだこの程度の段階だとも言える。

それにしても、Richards先生のサイトでPDFが直にアップされているんだが、いいのかな…?

Standing on the shoulders of giants … tremblingly.