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[本060] 河野『問う方法・考える方法』

[本060] 河野『問う方法・考える方法』

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構成のバランスが良いし、卒論指導などの経験上かなり重要と思えることもわかりやすく書いてあって、立ち止まって咀嚼して欲しいこともわかりやすく表現され過ぎていてちょっと不安になってしまうほど。

本書の感想は、現状で言えば、その人が大学のゼミなどでどういう経験をしてきたかに大きく左右されるだろう。(指導教員の贔屓目はあるにせよ)静大のゼミ出身者は「なあんだ、亘理とやってきた、アイツが仕掛けてきたアレコレのことじゃないか」と捉えて、良い点も課題や困難も適切に評価してくれると思うが、本書を手にする高校教員がみなそういう経験をしているわけでもないはずだ。

同様に、内容としては、いま担当している「入門ゼミ」の『知のナヴィゲーター』をアップデートするなら本書かもなと思う一方で、にわかに担当者会議に推薦できぬと思うのは、本書を生かすも殺すも、ここに書かれていることに見合った経験の機会と時間とフィードバックを用意できるかどうかにかかっていると感じるからだ。授業者に相当の実力が求められる。

上記の授業で本書を使うなら、まずは資料として担当者全員に読んでもらって、それぞれのゼミなどでの被教育経験を語ってもらいつつ、感想共有する会からスタートかな(着任1年目ながら、毎回の資料を早めに作成して担当者に共有する役目を勝手に買って出ております)。

そういった意味で、読みやすさでファッションとして消費されるのではなく、適任者に読んで欲しい一冊。

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