レビュー
[本192] 木村『14歳のためのシェイクスピア』

[本192] 木村『14歳のためのシェイクスピア』

Pocket

いまさらながら、『シャドウ・ワーク』の第5章「生き生きとした共生を求めて: 民衆による探究行為」が鮮烈に面白かった。『テクストのぶどう畑で』を読む前に読んでおくべきだった。ただし、2023年後半に刊行された本書には、前の版の解説に加えて、文庫版解説「ヴァナキュラーな生を求めて」(栗原彬)が加えられている。

渡辺貴裕さん(東京学芸大)の紹介で手に取ったのだが、ぐいぐい読まさって(北海道方言)、べらぼうに面白かった。

大学などでシェイクスピアに親しんだ人は「こういう紹介の仕方があったか!」と唸るだろうし、ほとんど知らない、全く触れたことがない(と思っている)人はすぐに惹き込まれるだろう。昔の翻訳で読んだ人、映画で観た人も、新旧の翻訳の話になるほどと思うだろう。

ことばにこだわるってこういうことだよね、の良いお手本で、英語の先生(志望者)にもぜひぜひ読んでもらいたい。訳者の松岡さんの「黙読は知識になる。音読は体験になる」という持論も、英語教育に引き付けて(そうなっているかどうかも含めて)考えてみたい。

装丁・デザインもオシャレで、手に持って読んでいて嬉しい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です