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の中で、いわゆる臨界期研究で有名なJohnson & Newport (1989)がざっくり紹介されていたのでまとめつつ訳してみた。

Johnson & Newport (1989)を参照していないので、Ionin (2012)のレビューが適切かどうかは判断できない(から、なぜ引用中の下線部のような結論が導けてしまうのか疑問が残ったりする)ので、気になるところがあったらコメント願いたい。

ということで、以下はIonin (2012, pp. 32-33)からの引用(下線は引用者による)。

  • Johnson, J. S. & Newport, E. L. (1989). Critical period effects in second language learning: The influence of maturational state on the acquisition of English as a second language. Cognitive Psychology, 21, 60-99.

■背景

今ではよく知られるこの研究では、第二言語習得が臨界期の影響を受けるかどうかを調べている。臨界期仮説によれば、習得年齢(AoA)の遅い成人第二言語学習者は、認知的成熟のため、習得年齢の早い学習者ほど目標に近い第二言語の知識を示さないはずだ。

■研究課題

  • 第二言語の文法習得に習得年齢の影響はあるのか。
  • 習得年齢と最終的な運用の関係はどのようなものか。
  • 様々な習得年齢グループにとって、特に問題となるのは文法のどの側面か。
  • 態度変数(動機、自己意識、同一化)によって、習得年齢の影響の全てないしは一部を説明できるのか。

■方法:文法性判断テスト(GJT)

  • 276個の文(140個は非文法的、136個は文法的)
  • 形態規則(例、複数形の標示)と統語規則(例、疑問文の形成)を含む、異なる12の規則についてテスト
  • 例:
    • 非文法的:The farmer bought two pig at the market.
    • 文法的:The farmer bought two pigs at the market.
  • 刺激文の提示方法:音声
  • 評定尺度:二値(YES/NO)

■実験参加者

  • 5年以上英語に触れている46人の中国語L1ないしは韓国語L1英語学習者。内23人は早く(3歳から15歳の間の習得年齢で)来た者たちで、23は遅く(17歳から39歳までの間の習得年齢で)来た者たち。
  • 23人の英語母語話者統制群

■統計的手法

変数間の相関分析(習得年齢×テスト結果(全体 or 特定の規則についての結果)×態度変数について得られたスコア)

■結果

早く来た者については、習得年齢とテストの結果に逆相関が見られた。すなわち、習得年齢が増すにつれて、テストの結果は悪くなった。遅く来た者たちの全体的な結果は早く来た者たちより悪かったが、年齢と結果の間に相関はなかった。こうした調査結果は、習得年齢の影響は思春期を通じた脳の成熟の結果だという見解を支持するものである。

その一方で、習得年齢の影響は全ての規則に等しく及ぶわけではない。例えば、進行相の-ingの標示やyes/no疑問に対してよりも、限定詞や複数形の標示に対してのほうがより強く習得年齢の影響が及ぶ。

テストの結果と態度変数のいくつかの間に相関がみられたが、習得年齢のテスト結果に対する影響は態度変数とは独立であった。