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[レビュー060] 脇本・町支(編)『教師が学びあう学校づくり』

[レビュー060] 脇本・町支(編)『教師が学びあう学校づくり』

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読み終わって、渡辺貴裕さんのnoteを読んで、さすが渡辺さんとなった。

AfterからBeforeへ、という提案については渡部さんと同じ疑問を感じていたので(教育方法学にいればそりゃそうか)、そうそうと思うなど。

ただ、教職大学院と直接の関わりを持っていないからか、私は渡辺さんほどポジティブには読めなくて、こぎれいにまとまっていて、たしかに座談会は興味深く読めるところもあるんだけど、どうにも面白い!とかなるほど!と思って読めなかった。

効果的なメンターチーム(の構造)について「比較的対等な関係」とある割には、パターナリスティックというか、先輩が後輩を導く一方向的な構造の意識が強いように感じる。尤もこれは現状の教員組織の構造の反映とも言えるが、「教師が学びあう」の射程がやや窮屈な印象も受けた。

例えば学習指導案の協働作成は養成課程の授業でもやっている。学生同士が協働で作るのと何が違い、どういう違いのある者同士の協働だから良いと考えるのか。ここで言う「成長」とはなんなのか。本書に結実したメンターたちの報告や現在こそが「成長」の一面と捉えれば、教職大学院の優れた成果だと言えるのかもしれない。しかし一方で、Kolbの経験学習の枠組みの把握・適用ゆるすぎない?といった研究の水準の問題も気になってしまう。

ミドルの育成を論じた第4部なんかは知り合いの指導主事の先生に読んでもらって感想を聞きたいとも思ったが、全体に経営的発想での「若手を育てる」(ことをこちらが意図した)仕組みの議論が強くて、実践例で授業の具体(あるいはメンター側がそれをどう見てどう変容したか)があまり伝わってこないことも私にハマらなかった理由だろう。

違うタイミングで読めば感想も変わるのかもしれない。

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