授業
[雑感106] 2021年度をふり返る(授業・社会貢献活動編)

[雑感106] 2021年度をふり返る(授業・社会貢献活動編)

Pocket

2021年度にした仕事について(授業・社会貢献活動編)。

異動して授業やゼミを新たに作り直すことになったが、今年度はゼミや3年次以降の専門科目がまだ始まっていないので、暫定的な科目担当が主となった。

  • English for Academic Purposes: Listening and Notetaking (1年次)
    • Listening and Notetaking Skills (Cengage)

中京大学国際学部は、月水金の午前を60分×3コマで構成し、1年次は9種類540分の英語授業を提供している。その内のリスニング中心の科目。アメリカの大学の授業に参加することを想定したテキストで、通しで聞くと10分以上という、ほとんどの学生にとってはかつて経験したことのない長さの音源で各Unitが構成されている。60分という時間の制約もあり、focused listeningをかなり工夫することが求められ、その点ではやりがいがあった。ただ、コロナ基準の教室の制約でオンライン実施だったため、どれくらい聴けていてどれくらい聴けていないかのモニタリングに苦労した。対面でできていればもう少し、、、と悔やまれる部分が少なくない。3クラスを担当。

  • English for Academic Purposes: Reading and Vocabulary (1年次)
    • Unlock 3 (Cambridge University Press)

同じ科目の読解中心の科目。Listening and Notetaking もそうだが、チームでGoogle Classroomの教材を分担作成・共有し、共通進度で進めたため、Unlockを初めて使用したことよりも、その共通教材と60分という時間枠に適応するのにやや手間取った。オンライン授業用にATEM MiniやiPad Proなどで環境を整え、テキストに書き込みながら進めたメリットはこちらのほうが発揮されたと言える。しかしながら、オンラインの語学授業は私の好むスタイルではないな、ということを改めて確認した。上とは別の3クラスを担当。

  • 入門ゼミ (1年次)
    • 『知のナヴィゲーター』(くろしお出版)

1年次対象の必修科目で、こちらは学期を通じて対面で実施できた。こちらも共通テキストを指定し、担当者で打ち合わせをして進めたが、早晩その代表を務めることはわかっていたので、今年度の時点で率先して先回りして教材を共有して進めた。静岡大学でも同様の科目を隔年で担当していたので、その経験が大いに生かされたし、各クラス15人の2コマという恵まれた条件で一人ひとりにフィードバックを返しながら、丁寧に展開することができた。

  • 初等教科教育法(英語) (3年次、集中)
    • 『「学ぶ」・「教える」の観点から考える 実践的英語科教育法』(大修館書店)

常勤のポジションを得てから初めて非常勤講師を担当した。コロナ禍でスケジュールは二転三転を余儀なくされたが、教科教育法という性格から対面を死守し、3コマずつ隔週5回を大阪に通って実施した。授業と授業の間に課される課題も重めで、暑かったり冷房が効きすぎたり、3コマ目には私も学生もヘトヘトで申し訳ないなと思ったものの、学生は総じて真面目で「えームリムリ」、「英語なんてでけへん!」と言いながらも活動や模擬授業に懸命に取り組んでくれた。最後まで関西の学生のテンションのゆらぎをうまくつかめた気はしていないが、英語に苦手意識が強いからこそ沁み入る部分や、誰の発言にもリアクションや合いの手が入る瞬発力がこの授業にはとても有り難かった。

とは言え、近隣の毎週1コマのペースで教えられる人が担当したほうがよく、今年度のみの担当とさせてもらった。私に多くのことを教えてくれたというか、忘れかけていたことを思い出させてもらったというか、大阪青山大学の皆さんに感謝したい。

  • 英語科教育法Ⅱ (2年次)
    • 『よくわかる英語教育学』(ミネルヴァ書房)

所属専修の専門科目。週2コマの4単位(30回)構成が初めてで、内容としては通年の2科目が半期にあると考えれば良く、実際静岡大学で担当していた中等英語科教育法I、IIに相当する内容を扱ったのだが、月木のサイクルでの課題や模擬授業の配置、時間配分に四苦八苦しながら進めた。最初の週以外は対面で実施することができ、上記の集中講義や2020年度の静岡大学でのオンライン授業など、これまでの経験が存分に活かされ、下記のエクストラ授業・ゼミを除けば秋学期はこの授業にエネルギーを注げた。どの条件が欠けてもイマイチに終わっていたかもしれない。尤も、この授業を首尾よく完走できたのは、一期生の受講者たちの稀有ながんばりによるところが大きい。秋学期の大半の時間を彼らと過ごすことができた(まだそれほど忙しくなくてそういう時間がたっぷり持てた)のは1年目の私にとって全く幸運なことだった。

学期の途中で学生からもらったリクエストに応じて、毎週の課題として私が選定した洋楽・映画・TED動画を視聴してくるリスニング授業を行なった(全11回)。それぞれからリスニング・ポイント2、3箇所ずつを選んでA4一枚のテストを作成し、研究室で何度か聞いて、解説を加えた。前の記事でも触れた通り、洋楽は昨年度、静岡大学で全面的に洋楽に寄せて展開した授業が役に立ったが、映画については(できるだけアマプラにあって学生が視聴可能な)オススメの映画を改めて見直し、リスニング・ポイントを抽出する作業が精読ならぬ精視聴となって私自身なかなか楽しかった。作品は上記リンクを参照。

静岡大学4年のゼミ生と隔週でゼミを開催。正規のゼミではないものの(というよりも元々、静岡大学ではゼミは単位化されていないが)ちょうど10年目。対面で実施できる場合は、共通教育棟に教室を借りて、静岡に赴いた。他ゼミの学生もちょくちょく参加してくれて有り難かった。前期は窪島 (1996)を検討し、教員採用試験に向けた面接練習なども行なった。後期は2人の卒論検討や授業実践をメインに進めたが、卒論提出後は2人のリクエストに応えて、「こんな場面だったらどういう声かけをする?」、「こういう生徒の振る舞いをどう捉える?」という指導場面の課題についてのロールプレイと、中学校1〜3年の教科書を用いた模擬授業を実施した。

合同ゼミ合宿は再びのオンライン開催となったものの予定通り開催することができ、ゼミ旅行代わりと言ってはなんだが、今年は2人とも中学校の英語教員として採用を得たため、高校教員のOBと共に中京大学に招いて、専修の2年生向けに話をしてもらうことができた。何より2人とも、コロナ禍にもめげず、卒論のために中学校と高校でそれぞれ2時間の授業をデザインして、先生と打ち合わせを重ねて実践したのだからすごいというより他ない。中学校はゼミOGの協力を得ることができたのも私にとって幸せなことだった。

 

社会貢献活動、あるいは実践研究は、まず、

  • 三重県総合教育センター授業づくり(高校英語)研修 講師
  • 静岡県総合教育センター 令和3年度「主体的・対話的で深い学び」の視点による英語授業改善研修講師
  • 静岡大学教育学部附属浜松小中学校 校内授業研究会 助言者

としてオンラインまたは対面での研修に継続的に携わった。三重県について昨年度は訪問が叶わずオンラインの研修のみだったが、今年度はオンラインの研修に加えて、名張高校・飯野高校・神戸高校を訪問することができ、名張高校には中京大学の学生を帯同し、神戸高校とはGoogle Jamboardを通じた実践交流を図ることができた。

静岡県の高校との関わりは昨年度とは逆に、オンライン研修についての助言を主とするものとなったが、毎回、指導主事の先生方と濃い話をすることができた。

附属浜松小中学校については、異動したにもかかわらずお招きいただき、しかも私淑する藤本和久さん(慶應義塾大学)とコラボで(一度は現地で、一度はオンラインで)英語に限らない各教科の授業を拝見し、先生方と協議を持つという僥倖に恵まれた。

いずれも発展した形で来年度も継続する。ありがたいことだ。加えて、附属浜松小中学校の常名先生・和田先生、およびmimi’xについて助言協力をしている(株)鈴木楽器製作所との

  • mimi’x活用コンテンツ研究会

を7回開催した。公立小学校で活用してもらえる教材集を来年度リリース予定。元附属静岡中学校の稲葉英彦先生と主催する

  • 英語授業を語る会・静岡

は8回開催して、通算で38回となった。そろそろ対面での実施を再開したい。

浜松市についてはさらに、

  • 浜松市教育研究会外国語科部2021年度研修会 講師

を務め、昨年度はオンデマンドの研修動画を提供したが、今年度は現地で小学校の先生方に向けて直接話をすることができた。単元ごとのコミュニケーション活動やパフォーマンス課題についての相談を複数受け、検定教科書の使用状況について私自身も理解を深めた。

昨年度に続いて、

  • 静英研西部支部主催スピーチコンテスト 審査員長

を務めた他、こちらも昨年度に引き続き、4回のWSと最終プレゼンで構成される

  • 静岡聖光学院主催 第2回CCAUSEプレゼンコンテスト

にも協力した。どちらもコロナ禍の影響を被った。CCAUSEプレゼンコンテストは元々オンライン開催を念頭にデザインされたものだが、最終プレゼンはできれば各校の中高生が直接顔を合わせる機会としたいと主催者側は考えていたので、叶わなかったのは残念だ。スピーチコンテストも大きめの体育館を会場として、最小限のスタッフと、前後の発表者、審査員のみをオーディエンスとして壇上からスピーチという、かなり特殊な条件下で実施された。

異動したこともあり、規模の大きいイベントへのオンライン参加をあまり好まないこともあって、社会貢献活動は例年に比べれば(適宜断るなどして)全体に控えめだったが、

  • 2021年8月18日: 「文法指導の文法: 機能とやり取りの観点から」大阪大学マルチリンガル教育センター主催英語教育セミナー
  • 2021年10月23日:「主体的に学習に取り組む態度をどう評価するか」2021年度 第71次教育研究静岡県集会
  • 2022年2月19日: 「Symposium ON Automated Scoring (SONAS) 2022」(早稲田大学、オンライン開催)
  • 2022年3月6日: KATE関東甲信越英語教育学会・第21回英語教育「なんでだろう?」座談会

で、講師や司会・進行を務めた。

その他、検定教科書の編集委員として

はこれまで通りだが、

  • 桐原書店 高等学校「英語コミュニケーション」検定教科書Heartening Series

が加わり(というより、ようやく情報公開となり)、幸いなことに多くの採択を得たようだ。来年度以降、実際の授業を見たり、生徒・先生の声を聞くのが楽しみである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。