Pocket

メモがもう一つ。メタ分析です。

この論文については、大修館書店『英語教育』2014年8月号(だったと思います)で竹内理先生が紹介記事を書かれていますので、ぜひそちらをご参照ください。

概要は以下の通り。

本研究は、第二言語習得環境における、聴解と語彙学習に対するキャプション付きのビデオ(第二言語での字幕付きの第二言語のビデオ)の効果に関するメタ分析の報告である。キャプションを付ける効果と、見込みのある2つの調整変数——テスト・タイプと熟達度レベル——の関係について調べると共に、ランダム効果モデルに基づくメタ析によって、聴解と語彙習得の全体的な効果に関する量的測定を行った。
系統的レビューにより得られた18の研究に対する効果量を計算した。(15の研究のデータによる)聴解と(10の研究のデータによる)語彙学習に対する別々のメタ分析をそれぞれ行った。結果によれば、キャプションは聴解に対しても語彙学習に対しても大きい効果量を示した。テスト・タイプは聴解の効果量に影響を与えることがわかった。熟達度レベルは聴解および語彙学習の効果量に影響しなかった。本論は最後に、今後の研究の様々な展望とともに、この結果の範囲内での考察と今回のメタ分析の限界の概観を述べる。

メタ分析の論文は、手続きや結果に関して説明しなければならないことが多く、どうしても長くなりがちですが、Appendixを含めても20ページに収まっているのが偉い。かなり絞り込んだトピックでのメタ分析だからかなと思います。

聴解のほうの、全体での効果量はg = 0.988, 95% CI [0.598, 1.377]ですが、receptive testでの効果量はg = 1.436, 95% CI [0.822, 2.050]、productive testでの効果量はg = 0.547, 95% CI [-0.298, 1.393]。ということで、当然と言えば当然ですが、産出に対して効果があるかどうかはまだ分かりません(k = 4しかないということもあります)。

語彙学習については、全体の効果量がg = 0.866, 95% CI [0.578, 1.154]で、recognitonの効果量はg = 1.061, 95% CI [0.446, 1.676]、recallの効果量はg = 0.956, 95% CI [0.547, 1.366]。研究の数は多くないものの、単語の認知に関しても想起に関しても、それなりに効果があると言えそうです。

熟達度による差については、kの数が少な過ぎるので、熟達度レベルが「効果量に影響しなかった」と言い切るには早いかなと思います。この研究のベンチマークとしての意義を否定するものではありませんが。

Standing on the shoulders of giants … tremblingly.